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柴田 光彦; 高瀬 和之; 渡辺 博典; 秋本 肇
Fusion Engineering and Design, 63-64, p.217 - 222, 2002/12
被引用回数:5 パーセンタイル:34.51(Nuclear Science & Technology)本報は、核融合実験炉の圧力抑制システムが設計どおりの機能を有していることを実験的に調べたものである。試験は、核融合実験炉の構成要素(真空容器や圧力抑制システム等)を約1/1600のスケールで簡略モデル化した装置を使って、核融合実験炉の運転条件を模擬した条件下で真空容器内冷却材侵入時の圧力上昇挙動を調べた。一連の試験を行い、次の結論を得た。(1)3本のリリーフ配管を使用した場合には1本だけの場合に比べて真空容器内の最高到達圧力を約50kPa低下できる。(2)真空容器内の圧力上昇はリリーフ配管の断面積に大きく依存する。(3)最大水侵入時における真空容器内の圧力上昇速度は秒速100-200kPaである。(4)冷却材の温度,圧力,真空容器壁温,侵入水量等の広範囲な条件に対しても圧力抑制システムは設計どおりの性能を十分期待できる。
高瀬 和之; 秋本 肇
Proceedings of IAEA 18th Fusion Energy Conference (CD-ROM), 5 Pages, 2001/00
核融合実験炉ITERの真空容器内に冷却材が侵入する事象はICE(Ingress-of-Coolant Event)と呼ばれる。著者らはICE予備実験装置を使ってICE事象時の物理現象を調べ、圧力上昇に及ぼす支配因子を摘出した。ICE予備実験の結果からICE事象時のITER安全性を予測することは、ICE予備実験装置がITER形状を模擬していないため困難である。しかしながら、ICE挙動の定量化及び安全性評価解析コードによる実験データの検証は核融合炉の安全設計にとってたいへん重要である。そこで、ITERの圧力抑制システムを参考にしてICE統合試験装置を製作し、ICE事象時の安全システムの妥当性を定量的に調べた。また、軽水炉の安全性評価解析に利用されたTRAC-PF1コードを使って数値解析を行って予測精度の妥当性を評価した。本研究の結果、ITERのサプレッションタンクシステムはICE事象時の圧力上昇を抑制するために十分効果的であることがわかった。また、ダイバータやサプレツションタンク内の二相流挙動を定量的に把握することができた。さらに、TRAC-PF1コードによる解析結果は試験結果を十分予測でき、核融合炉用安全性評価解析コードの開発に高い見通しを得た。